企業の成長性を分析するとき、多くの投資家は売上や利益の増加に注目する。
しかし、同じ売上でも企業によって利益の残り方は大きく異なる。
その差を示す重要な指標が 営業利益率 である。
営業利益率は、企業が本業でどれだけ効率よく利益を生み出しているかを示す。
営業利益率とは何か
営業利益率とは、売上高に対してどれだけ営業利益が残っているかを示す指標である。
計算式は次の通り。
営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高
例えば、
- 売上高:100億円
- 営業利益:20億円
の場合、
営業利益率は 20% になる。
つまり売上のうち20%が利益として残っているという意味である。
営業利益率が高い企業ほど、効率的に利益を生み出すビジネスモデルを持っているといえる。
営業利益率が重要な理由
企業の利益にはいくつかの段階がある。
- 売上総利益
- 営業利益
- 経常利益
- 当期純利益
この中で営業利益は、企業の本業の収益力を最も純粋に表している。
例えば企業の利益には、
- 為替差益
- 投資利益
- 特別利益
など、本業とは関係ない要因も含まれる。
しかし営業利益は、本業の活動から生まれた利益である。
そのため企業の競争力を分析する場合、
営業利益率を見ることが非常に重要になる。
営業利益率の目安
営業利益率は業種によって大きく異なる。
一般的な目安は次の通りである。
「 5%未満 」 低い
「 5〜10% 」平均
「 10〜20% 」優秀
「 20%〜 」非常に高い
例えば日本株では、
キーエンス
の営業利益率は 50%前後 と非常に高い。
一方で、小売業や建設業などでは
営業利益率 3〜5% 程度の企業も多い。
そのため営業利益率は
同じ業種の企業同士で比較することが重要になる。
営業利益率が高い企業の特徴
営業利益率が高い企業には、いくつかの共通した特徴がある。
大きく分けると次の4つのタイプに分類できる。
技術独占型
高度な技術や特許を持つ企業は、競争相手が少ない。
例えば
- キーエンス
- ディスコ
などの企業は、技術的な優位性によって
高い価格で商品を販売できる。
その結果、営業利益率が高くなる。
ブランド型
ブランド力のある企業も高い利益率を維持できる。
例えば
- 任天堂
- ファーストリテイリング
などはブランド価値によって価格競争を避けることができる。
そのため利益率が高くなる。
プラットフォーム型
市場の中心的な立場を持つ企業も高い利益率を持つ。
例えば
- ソニー(ゲーム事業)
- 任天堂(Switch)
プラットフォームを握る企業は、
継続的な収益を得ることができる。
装置産業型
半導体装置などの装置産業も利益率が高い。
例えば
- 東京エレクトロン
- SCREEN
などの企業は、世界市場で高いシェアを持つ。
その結果、営業利益率が非常に高くなる。
投資での使い方
営業利益率は単体で見るよりも、
売上成長率(CAGR)と組み合わせて見ることが重要である。
例えば
- 営業利益率:20%
- 売上成長率:15%
の企業は、非常に強いビジネスモデルを持っている可能性が高い。
一方で、
- 利益率は高い
- 売上が成長していない
企業は成熟企業である場合も多い。
そのため企業分析では、
- 営業利益率
- 売上成長率(CAGR)
- ROIC
を合わせて確認することで、企業の強さをより正確に判断できる。
まとめ
営業利益率は、企業の本業の収益力を示す重要な指標である。
営業利益率が高い企業は、
- 強い競争優位を持つ
- 価格決定力がある
- 優れたビジネスモデルを持つ
可能性が高い。
企業分析では、営業利益率を
売上成長率(CAGR)やROICと組み合わせて確認することで、企業の真の強さを見抜くことができる。


